いまさら聞けない会計実務シリーズ【減損会計 Part1】

 減損会計は平成17年4月1日以降開始事業年度より強制適用が始まっております。

適用初年度で資料を整備したもののその後の運用が曖昧になっていたり、前任者から引き継いだ資料の意味が分からない点があったりということも多いかと思います。

1、基本的な解説(いわゆる入門書に記載される各会計基準の基本的な内容)
2、手続きの流れ(いつのタイミングで何を準備し、どういった検討を行うのか)
3、それぞれの手続の解説

という順番で説明して参ります。

 

1、基本的な解説

(1)減損会計の基本的な枠組み

減損会計とは固定資産の減損処理のことであり、固定資産の減損とは「資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった状態」であり、減損処理とは「そのような場合に一定の条件の下で回収可能性を反映させるように帳簿価額を減額する会計処理」を指します。

 

(2)減損会計の対象

 固定資産の減損に係る会計基準によると当該会計基準の適用範囲は、「固定資産を対象に適用する。ただし、他の基準に減損処理に関する定めがある資産、本適用指針は、固定資産を対象に適用する」とされています。

すなわち、貸借対照表で固定資産の区分に計上される有形固定資産、無形固定資産及び投資その他の資産全てを対照とすることを原則としながら、他の基準で個別的に減損の規定がある資産のついてはそちらを優先するという位置づけとなっています。

適用指針上、他の基準に減損処理に関する定めがある資産として下記のように列挙されている。

①「金融商品に関する会計基準」における金融資産

②「税効果会計に係る会計基準」における繰延税金資産

③「研究開発費等に係る会計基準」において無形固定資産として計上されている市場販売目的のソフトウェア

④「退職給付に係る会計基準」において評価に関する定めのある退職給付に係る資産

また、長期前払利息など財務活動から生ずる損益に関する経過勘定項目も性質上、対象資産から除かれる。

貸借対照表項目ではないが、借手側が賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行っているファイナンス・リース取引により使用している資産は対照資産に含まれる。

 以上をまとめると下表のようになります。

適用対象となる

主な資産

適用対象外の主な資産

有形固定資産

土地
建物
構築物
機械装置
建設仮勘定等

無形固定資産

のれん
特許権
ソフトウェア(市場販売目的除く)等

「研究開発費等に係る会計基準」における
・市場販売目的のソフトウェア

投資その他の資産

長期前払費用(財務関係除く)
投資不動産等

・財務活動から生ずる損益に関する経過勘定項目
「金融商品に関する会計基準」における金融資産
・投資有価証券
・出資金
・ゴルフ会員権
・貸付金等
「税効果会計に係る会計基準」における
・繰延税金資産
「退職給付に係る会計基準」における
・退職給付に係る資産

賃貸借処理したファイナンスリース取引

同左

 いよいよ、次回「2、手続きの流れ」からが本番です。
減損会計では
①減損の兆候把握から減損損失の測定資料までをいかに漏れなく簡潔に取りまとめるか
②共有資産、のれん、遊休資産といった各論をいかに総論部分と混同せずに整理するか
がポイントとなります。

この2点に重点をおいてできるたけ分かりやすく説明してまいります。


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