いまさら聞けない会計実務シリーズ【減損会計 Part4】

固定資産の減損会計(以下、減損会計)について4回目の投稿です。

前回は、減損会計のポイントの下記4ステップのうち「1、資産のグルーピング」について解説しました。

今回から「2、減損の兆候把握」について解説します。

1、資産のグルーピング

2、減損の兆候把握

3、減損損失の認識の判定

4、減損損失の測定

 

2、減損の兆候把握

(1)基本的な考え方

固定資産の減損に関する会計基準(以下、減損会計基準)によると減損の兆候は「資産又は資産グループ(第9回で解説したグルーピングによる単位)に減損が生じている可能性を示す事象」を意味します。
減損の兆候があった資産又は資産グループについて「3、減損損失の認識の判定」以下のステップの検討に進むことになります。

減損会計基準では減損の兆候として、以下の4つを「例示」しています。
但し、例示といっても実務上は4つ全ての観点から検討することが一般的と考えられます。

①市場価格に係る兆候の把握

②営業損益またはキャッシュ・フローに係る兆候の把握

③経営環境の悪化による兆候の把握

④使用方法・範囲の変更に係る兆候の把握

 

(2) 減損の兆候における4つの判断基準の特徴

 減損会計では、「減損の兆候の把握」は、「定性的な判定」、「減損の認識の判定」は「定量的な判定」と表現されることも多いですが、同じ減損の兆候の中でも「①市場価格に係る兆候の把握」「②営業損益またはキャッシュ・フローに係る兆候の把握」は数値データを用いて定量的に近く、「③経営環境の悪化による兆候の把握」「④使用方法・範囲の変更に係る兆候の把握」は該当項目の有無のみで判定される性質であることからより定性的であるといえます。以下において、それぞれについて解説していきます。

 

(3) ①市場価格に係る兆候の把握

資産または資産グループ(以下、資産グループ)の簿価と市場価格を比較検討し、市場価格が著しく下落したと判定される場合、市場価格に係る兆候として把握されます。

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減損会計基準の適用指針上、「市場価額が著しく下落したこと」とは少なくとも市場価額が帳簿価額から50%程度以上下落した場合が該当することとなっています。

この「市場価額が著しく下落したこと」は50%以下の任意の数字で各社にてマニュアル等で定めておけばよいでしょう。当然ですが下落幅が小さくなるほど兆候ありと判定されるケースが多くなります。


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