いまさら聞けない会計実務シリーズ【減損会計 Part7】

固定資産の減損会計(以下、減損会計)について7回目の投稿です。

前回までに、減損会計のポイントの下記4ステップのうち「2、減損の兆候把握」までを解説しました。

今回は「3、減損損失の認識の判定」について解説します。

1、資産のグルーピング

2、減損の兆候把握

3、減損損失の認識の判定

4、減損損失の測定

 

3、減損損失の認識の判定

(1)基本的な考え方

「2、減損の兆候の把握」までのステップで減損の兆候があると判定された資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識します。その判定が「減損損失の認識の判定」です。

減損損失の認識の判定を行うために割引前将来キャッシュ・フローと当該資産グループの帳簿価額を比較検討する資料を作成します。

 

(2) 減損損失の認識の判定資料作成上の留意点

減損損失の認識の判定資料に決まった形式はないですが、減損損失の認定の判定にあたっては、減損会計基準の適用指針上の例示に準拠して下記のように作成されます。

①中期事業計画

割引前将来キャッシュ・フローを中期利益計画ベースの営業利益に営業外のキャッシュ・フローや非資金項目を加減調整して算出している形式とすることが一般的と考えられます。

企業は、発生主義ベースで中期事業計画を作成します。中期事業計画においては、各段階ごとの収益・費用項目の算出根拠の積上げで作成されるため、これを利用することにより将来キャッシュ・フローの根拠を明瞭に示すことができるためです。

実務上は、中期事業計画の範囲内においては発生基準に基づいた本社費負担後の営業利益に重要な非資金損益項目を加減する方法が通常用いられることになります。

 

②中期事業計画の見積期間を超える期間

 中期事業計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローについては、上記で用いた中期利益計画の前提となった数値に「それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定又は逓減する成長率の仮定」をおいて見積もる方法が一般的です。

具体的には売上高は中期利益計画の策定されている期間からの成長率0%で継続する、営業比率が中期利益計画の最終年度と同一比率が継続する等の仮定を入れて資料を作成することになります。こうした仮定は、検証を容易にし、誤りを少なくするため作成資料に記載しておくとよいでしょう。

 

③本社配賦額

資産グループの将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、当該資産グループが将来キャッシュ・フローを生み出すために必要な本社費等の間接的に生ずる支出も、将来キャッシュ・フローの見積りに際し控除する必要がある。

資産グループに関連して間接的に生ずる支出は、関連する資産又は資産グループに合理的な方法により配分します。

 

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(3) 減損損失の認識の判定

当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識することになるため、「4、減損損失の測定」ステップに進むことになります。


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