いまさら聞けない会計実務シリーズ【減損会計 Part10】

固定資産の減損会計(以下、減損会計)について10回目の投稿です。

前回までに、減損会計の基本的な流れについて解説してまいりました。

今回は各論の中でも重要な論点について簡単に触れて減損会計の解説を終わろうと思います。

 

6、減損会計における重要な各論

(1)共有資産

①資産のグルーピング

 「①資産のグルーピング」の結果、複数の資産又は資産グループ(以下、資産グループ)の将来キャッシュ・フローの生成に寄与する資産グループが認識された場合、当該資産グループを共用資産といいます。資産のグルーピングの結果、共用資産が認識された場合には「(2)兆候の把握」以下のステップの検討は、「共用資産を含む、より大きな単位」について行っています。

 

②減損の兆候

 共用資産自体に減損の兆候があるかどうかのほか、共有資産を含むより大きな単位に減損の兆候があるかどうかによって判定します。

(ⅰ市場価格に係る兆候の把握)

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(ⅱ営業損益に係る兆候の把握)

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③認識の判定

④損失の測定

共用資産から減損の兆候が把握された場合、「共用資産を含むより大きな単位」について認識の判定及び損失の測定を行うことになります。

具体的には共用資産を利用する資産グループを合算して第7,8回で紹介した「減損損失の認識・測定シート」を作成します。

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⑤配分手続

 より大きな単位で算出された減損損失の増加額を共有資産と関係する資産グループに下表のように配分していきます。

(ア)原則として共有資産に配分する。

(イ)(ア)によった場合、共有資産の帳簿価額が正味売却価額を下回ることが明らかな場合、当該超過額を各資産グループに合理的な基準(各資産グループの帳簿価額と回収可能価額の差額の比率等、資産グループの帳簿価額の比率等)により配分する。

 

(2)のれん

のれんに関しては、共有資産と概ね同じ考え方、手続きが採られます。共用資産との相違点を理解し、あとは同じと覚えておくと整理しやすいと思います。

 

共有資産

のれん

①分割手続

なし

あり

②兆候判定

そのものの兆候判定がある。

そのものの兆候判定はない。

→より大きな単位のみでの判定

③測定(トップダウン法)

・より大きな単位から関係資産グループ固有の減損損失を差し引いた金額は原則として共有資産の減損損失とする。

・ただし、正味売却価額がある場合、正味売却価額を超える金額については、合理的な基準により関係資産グループに配分する。

・より大きな単位から関係資産グループ固有の減損損失を差し引いた金額は例外なくのれんの減損損失とする。

・正味売却価額はない。のれんの帳簿価額を超える金額については、合理的な基準により関係資産グループに配分する。

 

(3)遊休資産

遊休資産については、単独で資産グループを形成することになります。

資料を作成する際に、独立した資産グループとして取り扱う点だけ思い出して頂ければよいでしょう。


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