いまさら聞けない会計実務シリーズ【資産除去債務 Part1】

これまで税効果会計、固定資産の減損会計について解説して参りました。
今回から資産除去債務について解説してまいります。

資産除去債務は平成22年4月1日以降開始事業年度より強制適用が始まっております。
適用初年度で資料を整備したもののその後の運用が曖昧になっていたり、前任者から引き継いだ資料の意味が分からない点があったりということも多いかと思います。

1、基本的な解説(いわゆる入門書に記載される各会計基準の基本的な内容)

2、手続きの流れ(いつのタイミングで何を準備し、どういった検討を行うのか)

3、それぞれの手続の解説

という順番で説明して参ります。

 

1、基本的な解説

(1)資産除去債務の基本的な枠組み

資産除去債務とは「有形固定資産の取得、建設、開発または通常の使用によって生じ、当該有形固定資産(→(2)①)の除去(→(2)②)に関して法令または契約で要求される法律上の義務(→(2)③)およびそれに準ずるもの」と定義されます。

手続きとして、有形固定資産の除去に関して法律上の義務等(資産除去債務)が存在する場合に、その現在価値を負債に計上し、同額を有形固定資産の帳簿価額に加えることとなります。 

(2)資産除去債務の対象

①対象科目

「資産除去債務」は有形固定資産に関連して生じるものとなってますが、財務諸表等規則において有形固定資産に区分される資産のほか、それに準じる有形の資産も含みます。
したがって、建設仮勘定やリース資産も含むものとされています。

適用対象となる資産科目

有形固定資産

建物、構築物、器具備品、機械装置、リース資産、建設仮勘定等

無形固定資産

投資その他の資産

投資不動産等


②対象となる事象

 「除去」の具体的な態様としては、売却、廃棄、リサイクルその他の方法による処分等が含まれるが、転用や用途変更は含まれないとされています。

除却に含まれるもの

除却に含まれないもの

売却

廃棄

リサイクル

その他の方法による処分

一時的に用益提供から除外する場合

転用

用途変更

遊休状態

 

③法律上の義務等

法律上の義務及びそれに準ずるものには、有形固定資産を除去する義務のほか、有形固定資産の除去そのものは義務でなくとも、有形固定資産を除去する際に当該有形固定資産に使用されている有害物質等を法律等の要求による特別の方法で除去するという義務も含まれるとされています。

いよいよ、次回「2、手続きの流れ」からが本番です。


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