いまさら聞けない会計実務シリーズ【関連当事者に関する開示 Part1】

(関連当事者に関する開示について)

今回から関連当事者に関する開示について解説しています。

関連当事者に関する開示については、

①会計処理ではなく財務諸表上の注記のみに関係する

②複雑なステップや計算方法があるわけではなく、会計の高度な専門知識が必要というわけではない。

という特徴があります。

しかし、網羅的に関連当事者の把握及び関連当事者取引の集計、重要性の判断をしっかり行っている会社も多くないと思料されます。

1、基本的な解説(いわゆる入門書に記載される各会計基準の基本的な内容)

2、手続きの流れ(いつのタイミングで何を準備し、どういった検討を行うのか)

3、それぞれの手続の解説

という順番で説明して参ります。

 

1、基本的な解説

(1)関連当事者の定義

関連当事者とは、「ある当事者が他の当事者を支配しているか、または、他の当事者の財務上および業務上の意思決定に対して重要な影響力を有している場合の当事者等」をいい、具体的には

①親会社

②子会社

③財務諸表作成会社と同一の親会社をもつ会社

④財務諸表作成会社が他の会社の関連会社である場合における当該他の会社(その他の関係会社)並びにその親会社及び子会社

⑤関連会社及び当該関連会社の子会社

⑥財務諸表作成会社の主要株主及びその近親者

⑦財務諸表作成会社の役員及びその近親者

⑧親会社の役員及びその近親者

⑨重要な子会社の役員及びその近親者

⑩⑥から⑨に掲げる者が議決権の過半数を自己の計算において所有している会社及びその子会社

⑪従業員のための企業年金(企業年金と会社との間で掛金の拠出以外の重要な取引を行う場合に限る。)

が該当します(会計基準第 11 号 関連当事者の開示に関する会計基準(以下、関連当事者会計基準)5項)。

 

(2)関連当事者の会計上の取扱い

関連当事者については、「会社と関連当事者との取引のうち、重要な取引を開示対象」として財務諸表に注記することになります(関連当事者会計基準9項)。

注記内容は下記のとおりです(同基準10項)。

①関連当事者の概要

②会社と関連当事者との関係

③取引の内容。なお、形式的・名目的には第三者との取引である場合は、形式上の取引先名を記載した上で、実質的には関連当事者との取引である旨を記載する。

④ 取引の種類ごとの取引金額

⑤取引条件及び取引条件の決定方針

⑥取引により発生した債権債務に係る主な科目別の期末残高

⑦取引条件の変更があった場合は、その旨、変更内容及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容

⑧関連当事者に対する貸倒懸念債権及び破産更生債権等に係る情報(貸倒引当金繰入額、貸倒損失等)


次回は「2、手続きの流れ」について取りまとめを行います。
関連当事者の網羅的な把握自体を省略している会社もありますが、注記漏れの原因ともなりますし一度整理なさることをお奨めします。

 

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