会計・監査メールマガジン vol.2

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▽ 目次 ▽

1.平成26年3月期決算会社の約7割が個別財務諸表を簡素化

2.平成25年4月~平成26年2月決算における、会計方針の変更

3.退職給付会計基準の改正点

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◆1.平成26年3月期決算会社の約7割が個別財務諸表を簡素化◆

 平成26年内閣府令第19号(3月26日公布・施行)では、単体開示簡素化の適用対象を「連結財務諸表作成会社で会計監査人設置会社」として、これを特例財務諸表提出会社と定義しています。

特例財務諸表提出会社の1,493社は、その旨の記載を有価証券報告書の「経理の状況」の冒頭において次のように記載しています。

「当社は、特例財務諸表提出会社に該当し、財務諸表等規則第127条の規定により財務諸表を作成しております。」

平成26年3月31日決算において、特例財務諸表提出会社に該当すると記載した会社は1,493社でした。

3月31日決算の上場会社で連結財務諸表作成会社は2,155社であるため、その約7割が特例財務諸表提出会社として単体開示を簡素化したことになります。

これら1,493社の特例財務諸表提出会社のうち、上場1年目の会社を除く1,481社が個別財務諸表の「表示方法の変更」で簡素化の詳細を記載しています。

また、単体開示の簡素化を図った財務諸表等規則等の改正(3月26日公布・施行)には、特例財務諸表提出会社以外も適用できる規定があります。

注記等の一部省略等も全て簡素化とみなせば,何らかの形で改正規則等の一部を適用し簡素化を図った会社は特例財務諸表提出会社を含めて2,112社に及んでいます。


◆2.平成25年4月~平成26年2月決算における、会計方針の変更◆

 平成25年4月~平成26年2月決算の上場会社の有価証券報告書において「会計方針の変更」や「会計上の見積りの変更と区別することが困難な会計方針の変更」等の見出しを付けて記載されたものは、31社(32件)ありました。

内容としては、以下の内訳となっています。
・有形固定資産の減価償却方法の変更(定率法から定額法)は19件。
 ⇒定額法から定率法に変更した事例は1件もない。
・計上区分の変更は8件。
・たな卸資産の評価方法の変更は3件。
・収益及び費用の計上基準の変更は2件。

会計方針を変更した場合は、原則として遡及適用を行わなければいけません。ただし、減価償却方法の変更については不要とされています。

会計方針変更32件から減価償却方法変更19件を除いた13件のうち、9件が「遡及適用を行った」旨を記載していました。

◆3.退職給付会計基準の改正点◆

前回の会計・監査メールマガジンで、退職給付会計基準の改正点をお伝えしました。

平成26年4月1日以後に開始される事業年度の期首から適用される改正点について、平成26年3月期において早期適用した上場会社は35社あったようです。


まず、改正点について再度記載しておきます。

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退職給付債務の算出方法見直し

平成26年4月1日以後に開始される事業年度の期首から適用します(連結のみ)。

退職給付債務の計算において以下3点の見直しを実施します。

①退職給付見込額の期間帰属方法:
 ⇒「期間定額基準」と「給付算定式基準」のいずれかを選択適用

②割引率:
 ⇒退職給付支払ごとの支払見込期間を反映するものを使用

③予想昇給率:
 ⇒「確実」ではなく「予想」される昇給等を考慮するよう変更

適用初年度については、当期純利益の計算に影響を与える変更であるため期首の利益剰余金に加減して計上します。

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平成26年3月期決算で早期適用した会社の開示内容は以下の通りです。

①退職給付見込額の期間帰属方法:

計算方法の改正規定(会計基準35項関係)を早期適用した会社31社のうち、30社が給付算定式基準を採用して、期間定額基準を採用した会社は1社のみでした。

期間定額基準を採用した会社の重要な会計方針における記載内容は下記の通りである。

(重要な会計方針)
5.引当金の計上基準
(3)退職給付引当金
  退職給付見込額の期間帰属方法
退職給付債務の算定にあたり,退職給付見込額を当事業年度末までの期間に帰属させる方法については,期間定額基準によっております。

②割引率

割引率の見直しに関する重要性基準(10%ルール)は改正基準の適用時にも考慮することが出来ます。

割引率の変動状況をみると、判別出来たもので集計すると、割引率が上がった会社は4社、下がった会社は21社、同じ会社は2社でした。

③退職給付に係る調整額

数理計算上の差異等の会計処理に関連した、退職給付に係る注記におきまして、その他の包括利益に計上された数理計算上の差異、及び過去勤務費用の内訳の記載が求められています。

 

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